漢方の基礎理論

経絡とは

「経絡」とは、分かりやすく例えると、常に全身を網目のように巡っている大きな川です。 「経脈」は支流のように体を縦に流れています。 そして、「経穴」は経絡・経脈の流れに点在するダムだと考えます。 ダムが滞れば、流れは止まり、その先の水は汚く濁ってきます。 そのままにしておけば、その先へも新鮮な水は届かず、枯れた大地となります。

経絡は正式には、五臓五腑に「心包」と「三焦」の経絡を 入れた六臓六腑に各一つずつ、計十二本あります。 この十二本を「正経十二経」といいます。 これは、肺経から始まり、各臓腑をめぐる経絡を経て、肝経から肺経へと戻る一つの流れになっています。 この流れが私たちの全身、六臓六腑にエネルギーを循環させているのです。 この循環を調節する補助的な八つの経絡があります。 これを「奇経八脈」といいます。 奇経八脈は「任脈」「督脈」「陽矯脈」「陰矯脈」「陽維脈」「陰維脈」「帯脈」「衝脈」の八つがあります。 人体の急所が数多く集まる体の前面中央を通る任脈と、体の後面中央を通る督脈は、 特に重要な役割を果たすので、正経十二経と合わせて「十四経」という場合もあります。

臓腑が傷つけば、臓腑の経絡上の経穴は滞ってしまいます。 その滞りが、不快・不調として現れます。
経穴は、人間の体には361(WHO認定のもの)以上あり、十二経絡に沿って点在しています。 この経穴への刺激が臓腑に働きかけることを利用して様々な療法が伝えられています。
経絡の理論は六臓六腑の経絡という体の内部と経穴という外部の 密接な関係を実証してきたとても有効な理論の蓄積なのです。
この考え方に則って本草精華を用いてアロマセラピーを施すことが、「漢方アロマセラピー」です。

「経穴」を刺激して経絡の滞りを改善することは、 全身の気・血・津液のはたらきや五臓五腑、各組織の健康維持・生命活動維持には大変重要なことです。
「本草精華」を標的臓腑の経絡・経穴(ツボ)にアロマトリートメントをして、 五臓のバランスを整え、現れている症状を根源から改善するように導きます。
本草精華で表している「帰経」とは、経絡から入って最終的に働きかける臓腑を指しています。 経絡図を元にいろいろな経穴を探してみましょう。 軽く押して痛みやシコリがある、または知らず知らずに手が行ってしまう箇所 (肩や首など)には、経穴の滞り、経絡の滞りがあります。
経絡図だけにとらわれなくとも、ご自身の体の訴えに敏感に応えてあげましょう。